Polygoniaの『Upside Down』は、ダブテクノ、アンビエント、エクスペリメンタルの要素が融合した、深く没入感のあるサウンドスケープが魅力の作品です。Polygoniaは、本名エレーナ・コルタザール(Elena Kolarz)という女性プロデューサーで、ベルリンを拠点に活動しています。彼女は幼い頃から音楽に囲まれた環境で育ち、様々な楽器に触れる中で音楽への情熱を育みました。その後、電子音楽に傾倒し、独自のサウンドを追求するようになりました。
彼女の音楽は、緻密な音響設計と催眠的なリズムが特徴で、『Upside Down』でもその才能が遺憾なく発揮されています。深いベースライン、複雑なパーカッション、浮遊感のあるシンセサイザーが織りなすテクスチャーは、ダブテクノの反復的なリズムを基盤としながらも、アンビエントの静謐さやエクスペリメンタルな音響処理が加わることで、単なるダンスミュージックとは一線を画す、リスニング体験を提供しています。
特に注目すべきは、音の空間的な広がりと奥行きです。緻密に配置された音のレイヤーが、まるで深い水中や宇宙空間にいるかのような感覚を呼び起こします。催眠的なリズムに身を委ねているうちに、意識が内へと深く沈んでいくような感覚を覚えるでしょう。『Upside Down』は、クラブでのダンスミュージックとしてだけでなく、ヘッドホンでじっくりと聴き込むことで、その真価を発揮する作品と言えます。瞑想的な時間や、集中して作業に取り組む際のBGMとしても最適です。ダブテクノ、アンビエント、エクスペリメンタルミュージックのファンはもちろん、深く没入できる音楽を探しているすべての人におすすめです。