Interview: Harry Nuriev (Crosby Studio Founder)- 空間が生み出す物語

Interview: Harry Nuriev (Crosby Studio Founder)- 空間が生み出す物語

ハリー・ヌリエフは、パリとニューヨークを拠点に活動するアーティスト、建築家、デザイナー。2014年に自身のスタジオ「Crosby Studios」を設立し、アートとデザインの境界を越える活動を続けている。

彼の創作の核にあるのは、“トランスフォーミズム(Transformism)”という理念。変容や再解釈を通して、既存の素材やフォルムに新たな意味を与え、日常の感覚を揺さぶる。独自の美意識と触覚的な感性によって、常に新しい体験を提案している。

まずは、ご自身について自己紹介をお願いします。

私の名前はハリー・ヌリエフで、アーティストです。

Crosby Studios の空間は、ショールームでもあり、どこか夢の中のようなインスタレーションのようでもあります。インテリアをデザインする際は、建築のように捉えているのか、それとも舞台演出のように考えているのでしょうか?

空間は、常に物語を語る存在であり、そのたびに新しい物語を生み出していくものです。同じ空間であっても、時間や状況によってまったく異なる物語を語ることができます。創造とは、手法ではなく、心の動きや感情から生まれるものだと思います。

インテリアを手がける時、その空間にどう変化をもたらしますか?その場所が持つ可能性は、どういった瞬間に見えてくるものですか?

空間にはそれぞれ固有のルールやリズムがあり、そこから自然とアイデアが生まれてきます。大切なのは、その声に静かに耳を傾けることです。

あなたの作品には、柔らかさと硬さ、ラグジュアリーと日常といった相反する要素の“緊張感”が表れているように感じます。そうした対比や緊張感は、ご自身が手がける空間や家具の中で、どのように作用していると思いますか?

対比というものは、私たちの世界に欠かせない存在です。

昼と夜のあいだを行き来するように、私たちは静と動のあいだを生きています。

今年のヴィラ・ノアイユで開催されていた展示『The Transformist Apartment』では、日常的な要素が織り交ぜられ、親密さと強さが同居する印象的な空間がつくられています。この展示のコンセプトについてお聞かせいただけますか?

私が描くのは、どんなに現実が変わっても、美しい空間で生きようとする人間の姿です。たとえディストピアのような世界であっても、そこには美を求める心が存在します。

ご自身のスタジオは、どのような空間になっていますか?常に変化しているのでしょうか?

もうすぐまた変わりそうです。

今はすべてが鏡のように反転しています。

現在はパリに拠点を置かれていますが、ニューヨークでの暮らしと比べて、ご自身の空間や日々のリズム、そして考え方にどのような変化がありましたか?

今のパリでの生活は、ニューヨークと同じようなリズムで動いていると感じます。

私にとって自分のスタジオはとてもパーソナルな空間ですが、そこでは人が集まり、会話やイベントが生まれる場所でもあります。もはや完全なプライベート空間とは言えないかもしれませんが、その曖昧さこそが、今の自分の暮らしや考え方を形づくっている気がします。

日本で何かを手がけることになったら、パリやニューヨークでのプロジェクトとは、どのような点が異なってくると思いますか?

日本には、素晴らしいアーティストやデザイナー、建築家が本当にたくさんいます。中でも、SANAAや石上純也のような方々は、心から敬意を抱いている存在です。日本のミニマリズムが持つ伝統的な美意識に、私自身の“Transformism”の感覚を重ね合わせて表現したいと考えています。

最後に、今後のプロジェクトやお知らせがあれば、ぜひシェアしてください。

パリで開催されるアート・バーゼルで、初めての個展を発表する予定です。

自分にとって、とても刺激的で楽しみなプロジェクトになりそうです。

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