持続可能な未来を形にする、ECALの挑戦。

持続可能な未来を形にする、ECALの挑戦。

2024年4月16日から21日まで開催されるミラノデザインウィークにおいて、ローザンヌ芸術デザイン大学(ECAL)は、家具業界の環境負荷を削減するための革新的なプロジェクト「UPS – Under Pressure Solutions」を発表します。このプロジェクトは、形状記憶材料を活用しており、持続可能なデザインの未来を示唆しています。

オンライン商取引時代の新たな挑戦

現代の急速な変化とオンライン商取引の台頭により、産業デザインは新たな課題に直面しています。これに対応するため、ECALは輸送の効率化と持続可能性を重視しつつ、機能性と美しさを両立させた軽量な家具やオブジェを提案します。この取り組みの中心にあるのが、セルローススポンジという生分解性かつ再生可能な素材です。

ガエターノ・ペッシェの影響と革新的な材料選定

このプロジェクトは、イタリアの建築家兼デザイナーであるガエターノ・ペッシェのUP5チェア(1969年)からインスピレーションを得ています。UP5チェアは、ポリウレタンフォームが自己膨張する特性を持っており、同様に「UPS – Under Pressure Solutions」も形状記憶材料を活用して体積を減少させ、組み立ての手間を省くことを目指しています。

研究チームと素材の特性

このプロジェクトは、ECALの5人の産業デザイナー—カミーユ・ブリン、クリストフ・ギュベラン、アンソニー・ゲックス、クリス・カベル、ジュリー・リショズ—によって2年間にわたり実施されました。彼らは、機械的な組み立てなしにその体積の一部を占める材料を探求し、最終的にセルローススポンジを選定しました。木材の残留物から作られるこの素材は、生分解性であり、湿気に触れると初期サイズの10倍に膨張するという特性を持っています。

プロジェクトの成果と将来の展望

数多くの実験を経て開発されたプロトタイプは、その材料の多用途性と強度を強調し、家具製造における持続可能な代替手段としての可能性を示しました。この研究の全過程とその結果を収めた出版物も発表され、アニーラ・コイヴとガエターノ・ペッシェの対談、およびEPFL持続可能材料研究所のティファニー・アビトボル所長とのインタビューが収録されています。アビトボル所長は、このプロジェクトの革新的なアプローチを称賛し、「多くの繊維ベースの材料があり、その多くは廃棄物の流れに存在しています。それを有用なものに変換する方法を見つけるのは非常に刺激的です」と述べています。

展示会の詳細

展示会では、このプロジェクトの過程と結果、および製品デザイン修士課程の学生や研究チームが制作した日常のオブジェが紹介されます。これは、ECALがデザインにおけるイノベーションと創造性を奨励することへの取り組みを示し、持続可能な家具デザインの興味深い展望を明らかにしています。

 

協力

サウンド、静寂、喜びの極致。

音楽に没入する。自分だけの静寂な世界に浸る。どんな楽しみも思いのままに。サウンドからデザインまで、深さ、ディティールそして喜びを極めたBeoplay H95。